モノハイドレートと比較して、効果に違いはあるの?
こんにちは!
サプリメントの情報を見ると「クレアチン」のカテゴリの中に、クレアチンHCLと記載された商品があり、モノハイドレートとの違いが分からない方も多いのではないでしょうか。
私は栄養・サプリメントの仕組みやその効果に関する情報を書籍、論文等で学習し、発信しています。
そこでこの記事では、クレアチンHCLの理解が進むように「クレアチンHCLとは何か」から「モノハイドレートと比べた際のメリット・デメリット」を徹底解説します。
この記事を読めば「クレアチンHCL」について一通り理解することができ、サプリメント選びの参考になります。
様々な文献をもとにクレアチンHCLについてまとめました。
クレアチンHCLについて深く知りたい人は最後まで読んでください。
目次
クレアチンHCLとは
クレアチンHCLは、エチルエステル塩酸とクレアチンを結合させたものです。
エチルエステル塩酸を結合すると何が良いの?
エチルエステル塩酸を結合することで、
- 素早く
- 効率よく
クレアチンを吸収することが可能になります。
吸収効率が良くなるメカニズムに関して簡単に解説します。
クレアチンHCLでは、通常のクレアチンに塩酸を付加することでクレアチンのpHの値を下げています。
通常のクレアチンはpHの値が高い一方、体内はpHの値が低く、体内を移動するのには非常に非効率であるため、吸収率が悪いです。
ですが、クレアチンHCLは初めからpHの値を低くなっており、液体への溶解度が高まるため、効率よく吸収できるのです。
モノハイドレートと比べた際のHCLのメリット・デメリット
ここからは
- クレアチンモノハイドレート
- クレアチンHCL
を比較して、そのメリット・デメリットを解説します。
クレアチンHCLのメリット
クレアチンHCLのメリットは次の通りです。
一つ目のクレアチンHCLのメリットはローディング期間が必要ないことです。
クレアチンモノハイドレートは一般的に「ローディング期間」が必要とされてます。
ローディング期間とは筋肉中のクレアチン濃度を高めるために多量のクレアチンを摂取することです。(1週間20gほど)
ですが、クレアチンHCLは吸収率が高いため、ローディング期間を必要としません。
そのため、体に負担をかけることなくクレアチンの効果を得られます。
二つ目のクレアチンHCLのメリットは摂取量が少量ですむことです。
1日当たりの推奨摂取量は
- クレアチンモノハイドレート:5.0g
- クレアチンHCL:1.5~3.0g
とされています。
クレアチンの摂取のために大量の水を飲みたくない方にとっては、モノハイドレートよりもクレアチンHCLの方が適しています。
三つ目のクレアチンHCLのメリットは(理論的には)モノハイドレートよりも筋力向上の効果が高いことです。
クレアチンHCLはその吸収率の高さから、クレアチンモノハイドレートよりも筋力向上効果が高いとされています。
そのため、クレアチンの効果をより得たい人にとって、クレアチンHCLは有効な一つの選択肢と言えます。
「理論的には」ってどういうこと??
実はクレアチンHCLをモノハイドレートと比較した際、「筋力向上」の効果は同程度であると報告する研究もあります。
詳細はクレアチンHCLのデメリットについて述べたのちに解説します。
クレアチンHCLのデメリット
クレアチンHCLのデメリットは次の通りです。
一つ目のクレアチンHCLのデメリットは高価であることです。
2種類のクレアチンの価格を具体的な商品である
- California Gold Nutritionのクレアチンモノハイドレート(CGN)
- KagedのクレアチンHCL(Kaged)
を比較します。
商品名 | 価格 | 内容量 | 1日あたり価格 |
---|---|---|---|
クレアチンモノハイドレート | 3,835円 | 454g | 42円 |
クレアチンHCL | 4,347円 | 75g | 87円 |
表に記載の通り、「1日当たりの価格」に倍以上の開きがあります。
クレアチンモノハイドレートにはローディング期間が必要なため、一概には比較できないとはいえ、かなりの価格差です。
また、MyProteinなどのセールで、より安くクレアチンモノハイドレートを入手可能です。
コストだけを見ると、モノハイドレートに軍配があがります。
二つ目のクレアチンHCLのデメリットはクレアチンHCLに関する研究が不十分であることです。
クレアチンHCLはモノハイドレートと比較すると、その研究数はかなり少ないです。
そのため、現在は確認されていない副作用や、その効果が薄いことなどが発覚する可能性があります。
クレアチンHCLのエビデンス(研究結果)
クレアチンHCLはモノハイドレートよりも効果は高いの?
ここからはクレアチンの主な効果である
- 筋力向上
- 徐脂肪体重の増加
の面で、クレアチンモノハイドレートとクレアチンHCLを比較します。
個人的には
クレアチンHCLがモノハイドレートよりも優れているわけではない
と考えています。
ここからはクレアチンモノハイドレートとHCLを比較した研究を紹介します。
2015年に発表された食品栄養科学の研究では、
- クレアチンHCl 5.0g/日
- クレアチンHCL 1.5g/日
- クレアチンモノハイドレート 5.0g/日
の効果を比較しました。
3つのグループの4週間経過後の徐脂肪体重は
のみが徐脂肪体重を増加させたと報告しました。
また、2019年の別の研究では、
- クレアチンモノハイドレート
- クレアチンHCL
両方が同程度で徐脂肪体重と筋力を増加させたが、
クレアチンHClが脂肪減少にわずかな優位性を持っていたと報告されました。
一方、2020年に発表された研究では
36人の被験者を4つのグループ
- クレアチンモノハイドレート 20g/日
- クレアチンモノハイドレート 3g/日
- クレアチンHCl 3g/日
- プラセボ
に分け、筋力向上のパフォーマンスを見たところ、
クレアチンモノハイドレート3gと20g、およびクレアチンHCl3gの効果に有意な差はないことを示しました。
実際、クレアチンHCLの効果がモノハイドレートよりも高くなったと報告する研究は少なく、その効果の証拠は不十分です。
クレアチンHCLの方がわずかに効果が高い可能性がありますが、効果の面だけで見れば、倍のコストを払ってまで摂取する価値はないと思います。
クレアチンHCLの摂取をおすすめできる人・おすすめメーカー
クレアチンHCLを摂取がおすすめな人ってどんな人?
ここまでの内容を踏まえてクレアチンHCLをおすすめできる人は
クレアチンモノハイドレートを摂るとお腹を下しやすい人です。
クレアチンHCLは少量の摂取でモノハイドレートと同等の効果を得られます。そのため、通常のモノハイドレートの摂取量でお腹をくだす人はクレアチンHCLの摂取を検討しましょう。
一方、モノハイドレートで消化器系の副作用を感じない人はクレアチンHCLを摂取するメリットはありません。
モノハイドレートと比べて高価で、かつその効果も不明瞭なためです。
おすすめのクレアチンHCLのメーカーはある?
おすすめのメーカーはKagedマッスルのクレアチンHCLです。
こちらの商品は
- クレアチンHCLの特許技術を持つ企業が製造
- インフォームドチョイス(アンチドーピング認証)を受けている
ため、クレアチンHCLとしては最も安価で、かつ安心して摂取できる商品です。
クレアチンHCLを購入した人のレビュー
iHerbにて、KagedマッスルのクレアチンHCLを実際に購入した人のレビューを紹介します。
クレアチンHCLの良いレビュー
クレアチンHCLのプラスのレビューを紹介します。
モノハイドレートを長年使用も体の慣れか体感少なくお腹の調子も比例して良くなかった。これに変えてほぼ1年以上経つが慣れがなく日に日に筋力アップの体感を感じれる。
モノハイドレードからの切り替え。体感はこちらが良い。
水に非常に溶けやすいので、「お腹が弱い」方にはとてもオススメです。クレアチンモノハイドレートよりも効果を感じられる。
プラスのレビューには
- モノハイドレートよりも体感がある
- お腹を下しにくい
など、一般的に言われるクレアチンHCLのメリットが目立ちました。
クレアチンHCLにモノハイドレート以上の効果を感じられる人も一定数いるようです。
クレアチンHCLの悪いレビュー
クレアチンHCLのマイナスのレビューを紹介します。
クレアチンモノハイドレートより優れているかどうかはわかりません.
とても酸っぱくて、味は本当に良くありません。
マイナスのレビューには
- モノハイドレートとの効果の違いが分からない
- 味がおいしくない
などの意見が目立ちました。
まとめ
この記事ではクレアチンHCLについて解説しました。
本記事をまとめると、
- クレアチンHCLはエチルエステル塩酸とクレアチンを結合させたもの
- 吸収率が高く、ローディング期間不要・摂取量が少量で済む
- モノハイドレートよりも、高価でエビデンスが不足
となります。
クレアチンの亜種としては、クレアチンHCLよりもクレアルカリンの方が
であるため、おすすめです。
こちらの記事でクレアルカリンについて解説しているので併せてご覧ください。
本記事を参考にクレアチンHCLの摂取の検討をしていただければと思います。
クレアチンHCLについて知りたい!